鉛調整
オーバーホール修理中のヤマハグランドピアノC5、本日のメインテーマは「鉛調整」
鍵盤の木の中には鉛が埋め込まれています。「鍵盤が重い」なんて言いますよね。実際には何グラムで鍵盤が下がると思いますか? 1音1音、この重さがバラついていると、タッチが不揃いに感じます。鍵盤が下がる重さが同じになるように、鉛を埋め込んで調整します。C5は52gに揃えますよー。
ダンパーを上げた状態で鍵盤の重さを計りながら鉛を置いて、いい位置を決めます。
あらかじめ埋め込まれた鉛の位置を避けて、チョークでマーク。
ハンマーのメーカーをかえて、特に高音部が一回り大きくなり、鍵盤も材質をかえたC5。しかしですね、荒木さんがビックリするくらい、バランスが整っていて、大きく重さが違う鍵盤がありませんでした。つまりそれだけ鍵盤に負担がかからない、よい状態で仕上がるという事。やったーええコや!
決めた場所に穴をあけ、
鉛をいれ、トンカチでトントン。
ほとんどの鍵盤が一番小さい鉛を打ち込むだけですみました。
「お仕事お願いしていいですか?」うひょーー待ってました! なあに、なあに?
荒木さんが白鍵の汚れを削り取る作業をしてくださっている間に…
ぐふふ。いきますよおーん。
黒鍵に黒ニス塗り!
はげて木目が見えてきたところの塗りなおしでございます。ぐふぐふ。楽し~い!
喜びすぎー。アホ面すぎるやろ!w
全部の黒鍵をぬらせてもらっちゃったよおーん。
大学時代の同門で後輩で、今はお友だちのちえちゃん到着~。
弾いてくれてありがとーーん。
鍵盤の高さがそろっているかチェック。
同じ高さになるように、色によって厚さの違う紙を仮置き。
すべての高さが揃うように決まったら、紙を敷きこみます。
鍵盤の高さが揃ったら、鍵盤の深さをそろえます。
深さ10mmになるように、触って確かめて…
鍵盤の下に敷きこみます。
鍵盤の高さ、深さの揃ったピアノは
「グリッサンドが楽! 痛くない! またやりたくなる!」ちえちゃん談
タッチもばっちり揃いました。どの作業をしたあとも、タッチが揃っていく感覚がありました。
へええええ~こんなに変わるんだ!!!
この作業はこれでおしまいではありません。揃え方もまだ80%くらいで、完璧じゃないんだそうです。何故なら、天然のものでできているから、まだまだ「動く」…つまり誤差が出てきて、自然に不揃いになってくるそうです。他を調整すると、調整済みのところがずれてきたりもします。ここに書いたこと以外にも、まだ他にも調整するところがたくさんたくさんあって、これを何セットも何セットも繰り返し行い、精度を上げていくのだそうです。
来週の今頃は…もう戻ってきてるんだよ、C5。長かったような、あっという間だったような…
今日は、ちえちゃんがたくさん弾いてくれたので、C5の音色をたくさん聴くことができました。なんかね…今までのトンガりがずいぶん減ったように思う!!!
1週間後に戻ってくる新生C5のお披露目会、おかげさまで16時、17時の回だけでなく18時の回もご予約で満席となりましたあ! 本当にありがとうございます。まだその後の回は余裕ありますのでぜひに~。
これまでも荒木さんが整音、調律してきたピアノなのに、トンガリが随分減ったとは、まだまだカドカドしていたところがたくさんあったのですね。館山(…限りませんが)の砂浜に散らばるビーチグラスのような丸みのある音なのかな~。
>う様
ヤマハの、GではなくてCですから…金属的な音が強かったんだと思います。
どうしても気に入らない音が混ざるんですが、それを説明するのはとーーっても難しいです、はい。
砂浜のビーチグラス…そんなにまん丸ではないと思うなーー、
いや、どうでしょうね~。わくわく。