右手4つ、左手3つ

 レッスンで「小犬のワルツ」を弾いている子がいる。中間部、右手に四分音符の四連符が出てくるのだが、そのメロディーと、左手の四分音符3つのワルツのリズムが噛み合わない。「左手は3つの音符、右手は4つの音符」という、割り切れない数の音符を同じ時間の間に弾かないといけないので難しい。

 私が習ったときは、先生が大きな丸を空白のページに縦に左に3つ、右に4つ書いてくださった。最初(下が最初)は揃えて、後はバラバラだけど、何となく、そのタイミングになるように○がある。「これを下から順番に上に一緒に手で叩いて」と言われ、トン、パカパカパカパカ…みたいな感じで叩く。もちろん、これでは合っていない。割り切れないので、「パカパカパカ」が綺麗に揃ってはいけない。「これを叩いて練習して」と言われ、少なくとも2~3日はその事を考える日々が続いたのは覚えている。ピアノを練習する前はもちろん、それをしばらく叩いて考える。なんか違う。寝る前も、左手と右手のリズムを交互に考えて、どちらも安定してから一緒に叩いてみたり…で、「揃ったかな」と思ったところで左手だけよく聞いてみたら、やっぱりちょっとどこか引きずったリズムで、「ダメだぁ…」と思ったり、その反対だったり。そして翌日はまた、先生の丸の上を、とん、ぱかぱかぱか…少しずつずれてくるけど、まだまだ…。

 しかし、その日は突然やってくる。「あれっ!どっちもちゃんと叩けてる!」右手はきちんと4つ、左手もきちんと3つ、両方同時に叩きながら、どちらか片方だけのリズムを聞いても、常に正しく狂うことなく叩けてる! 同時に聞くと、何とも言えないタイミングで両方のリズムが噛み合っている。でも何度片方ずつ聞いてもどちらもちゃんと叩けてる。これが正解かっ! できたっ! 先生にほめられたりはしなかったけど、できて嬉しかった瞬間の記憶は鮮明に残ってる。

 「要するに、左手のリズムが絶対狂わないように固定して、あとは左手の事は忘れてしまうのがポイントやな」と当時小学校3年生位の私は結論づけ、今もそうじゃないかなとは思っているのだが、教えるとなると…ああ難しい…。同じ方法がなかなか通用しない。もっとわかりやすい指導法は無いかなあ…。

 さて、リトミック。リズムを言葉に置きかえると、長く複雑なものも簡単に覚えられたりするので、最近地味~に活用していたりする。これでやってみよう。
「好きな食べ物3文字で言ってみて」  「ぶどう」
「いや、のびる言葉は困るから他のを」  「みかん」
「『ん』もやめといて」  「りんご」  「『ん』入ってるやん!」
という小ボケ漫才はともかく、バナナに落ち着く。4文字は「アボガド」。

さあ、やってみよう~「バナナ4回、アボガド4回」「2回ずつ~」「1回ずつ~」「はい、同時~」
「で・で・できません~!!」  大失敗~(T^T)

ま、お手本も示してみる。「バナナバナナバナナバナナ…」打ちながら「じゃあアボガド乗せるでぇ」「アボガドアボガドアボガドアボガド…ほら、どっちもちゃんと分かれてるし狂ってないやろ?」しばらく眺めてから生徒が一言。「先生、おかしいです。できるほうがおかしい~無理ですよ~」 ナンだと! 先生がおかしいだと! ぷんすか! それはともかく、バナナだけ叩いてもらって、アボガドを打ってあげたり、逆をしてみたり。なかなかうまくいかない。

そこから話が大脱線。「友達がね、右足1つ打ってる間に、左足2つ、右手4つ、左手3つ叩けるかって言うんですよ」む。難しそう…なんか聞いたことあるぞ、それ。「友達、ドラマーなんで、できるんです」ああーなるほど~納得~。「じゃあ、私、それ練習しとくわ。あなたはバナナとアボガド。別に○を叩いて練習してくれてもいいし。これって、その友達の言ってる手の部分とまったく一緒やで。私は足もやってみるわ」…うーん…足っつーのがなあ…パイプオルガンを弾いてた頃ならまだマシだったかもしれないけどなあ…って…あれ? 何で私まで宿題があるの??

右手4つ、左手3つ” に対して4件のコメントがあります。

  1. ゆうよ より:

    その昔、私は空中に右手で三角、左手で四角を描く練習をして、それぞれの一画目で鍵盤を叩くようにしてました。それでも、少しずれていたかもしれない。今となっては、絶対に弾けません。

  2. なおこ より:

     えー、今、半分寝ぼけながらやってみましたが、バラバラならともかく、同時にできません! 図が書けません! 足で1画目を叩いてやってみたんですが。

     ところで、手は空中で三角と四角を書いてるんですよね。1画目で鍵盤を弾くとすると、どういうタイミングで三角と四角を書くのに手をもどすんですか? もしかして、書く練習をしてから、1画目で鍵盤を叩いてあとはイメージトレーニングでしょうか?

  3. ゆうよ より:

    説明が悪くてすみません。右手で三角を三拍(下>右>斜め左上)、左手で四角を四拍(下>左>上>右)で描きます。と、一拍ずつずれていって、十三拍目に同じところに戻ってきますよね。それを練習して上手に描けるところになったところで、下へ向かうところは鍵盤を打つのだとイメージトレーニングして、リズムのずれを覚えたんです。とーんととんとーととーん って。

  4. なおこ より:

    貴重な情報をありがとうございます。
    わかりました! 三角、四角を書く、それぞれの1画目が1音なんですね。それで右手が三角なのか~。それだと12画の間に右手に4回、左手に3回、下へ向かうところ(1画目)がありますものね。12画が1小節というわけですね。さすが、すっごく論理的! なるほど~。
    しかし不器用な私には、図を描くのが難しい…もっと速さが欲しい。高速で描けるようになって、イメージトレーニングできたらバッチリかも。これ、練習続けてみようっと。
    ありがとうございました!

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