つながり
児童養護施設で子どもたちを支援するボランティアをさせて頂くことがあります。この日は、花紙で花束を作ったり、お絵描きや折り紙をして遊んでいました。
ある小学生の女の子が白い紙に色ペンでぐるぐる描きをしていました。「何描いてるん?」「綺麗な色やねぇ」声をかけても返事はありません。そこで、ぐるぐる描きの動きに、「ぐーるぐる、ひゅー」など、オノマトペで声を合わせてみました。彼女の動きと心と呼吸にピッタリあうように、音量も速度も変えて…すると、彼女は自分の動きに私の声が合っている事に気づき、顔を上げて私と目を合わせてくれました。それからは、私が声を出さないでいると催促したり、むしろ私の声に動きを合わせて描いてくれたり…声とお絵描きの、音楽療法のプチセッションです。お互いの駆け引きが楽しくて、たくさんたくさん描いてくれました。
帰る時のことです。彼女はそっと、私のところに近寄ってきました。「お絵描き楽しかったね、ありがとう。」と言うと、無言のまま、綺麗なケースに入ったメモを大事そうに一枚抜き取り、手渡してくれました。
音のチカラって、すごい…! 言葉を使わなくても、お互いの気持ちを通わせることができました。この出会いは、私にとっての宝物。
ありがとう!