教本選び

発表会の曲もそうだけれど、私は「この曲を弾きなさい」とか「この本を使いなさい」という事をほとんど言わない。導入期は別だが、ある程度までのレベルから(特にバイエル下巻程度からは…って…バイエル、ほとんど使いませんが)自分で教本を選んでもらうようにしている。「ピアノを演奏する」というのは、最終的には「自分を表現する」という事であると思う。クラシックの場合、楽譜に書かれている作曲家の意思をどのように解釈し、どのように感じたのか、聴衆にわかるように演奏で表現するわけだから。なので、私はあえて与えない。教本に関しては選択してもらう形になるが、最終判断は生徒自身。だから発表会の選曲の頃と教本を選ぶ日は、すごく時間がかかる。個々の教本の中身や曲の説明を、納得がいくまでするから。ほんの少しの事だけれど、与えられるのではなくて「自分で考えて判断する」という事をして欲しい。

いわゆる「ブルグミュラーに入る時」は大きな分岐点で、ハノンやバーナムのようなテクニックの本と、ル・クーペのABCやリトルツェルニー、ブルグミュラーや名曲集やポップスやディズニーなどの曲の3本柱のうち、取捨選択してもらう。フルコースを選ぶ人もあり、好きな曲だけを弾き続ける人もいるし、本当に人それぞれ。

まさにその分岐点にさしかかった子がいる。先々週あたりから、同じ質問をし、いろんな形で説明している。そろそろ思春期に入りかけている彼女は、はにかんだように、またちょっと困ったように小首をかしげて返事に窮している。とにかく「テクニックと曲集」という事になったので、メインの曲集を選ぼうという事になり、いろんな本を見てもらうが、どれもピンとこないらしい。ピアノは好きだけど、ディズニー映画も見ないし、ポップスが好きなわけでもない、クラシックが特に好きというわけでもない。テクニックと曲集だけなら、メインの曲集はブルグミュラーにして、たまにディズニーやポップスや名曲集を入れるのがオススメ、と言ってはみたがブルグミュラーが難しそうなのだそうだ。そうでもないけどなあ…。結局クラシックの小品集みたいなののなるべく簡単なものを探しておく事になった。

彼女に限らず、いろんな生徒に「ピアノ名曲集」みたいなのを貸してあげたりするのだが、聴いてるのか聴いていないのか…。ピアノに限らず、いろんな音楽を聴いて欲しいと思う。

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